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MMORPGコンチェルトゲートフォルテのプレイ日記
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久々に一席お伺いいたします。


兄弟姉妹というのはいいものでございます。


親ほど年は離れておらず、友達よりも近い存在。


時には、身内であるがゆえに厳しいことを言ったりもしますが、
愛情がある分、どこか温かく感じるもので・・・

ファンブルグの街に3人の姉妹が住んでいました。

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のんびりやの長女は、ステ振りも悪くなく魔術師としてもそこそこの素質は
あるのですが、クエストに行くよりは、仲間と集まってだべったりするのが好きという
困った子で、1年たってもLvはそこそこにしか上がっていませんでした。

しっかりものの次女は鑑定と治療で、真面目な三女は猟師をして一家を支え、
決して裕福ではありませんでしたが仲良く暮らしていました。



松の内もとれて数日を迎えようというある日のこと。


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「ふぁ~、退屈だなぁ・・・なんにもすることないや・・・
クエにいくのも億劫だし、レベル上げもかったるいし、おしゃべりしようにも
みんな出かけてるみたいだし・・・
そうだっ!ウィルノアのカフェ・シュガーポットに行って、マカロン開けてこようっと・・・
結局去年は一個もゲットできなかったし、新年を占う意味でも、いいかもね・・・
そうと決まったら、さっそくっと・・・」







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「あら、お財布からっぽだわ・・・」







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「ユカリコ~、シュガポ行ってくるから、お小遣いちょ~だい」





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(じとっ)






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「ねえ、聞こえないの・・・シュガポ行くから、お金出してってばぁ・・・」






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「聞こえてるわよ」






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「もう、なによ・・・早く、早く・・・」






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「ない・・・」







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「えっ?」






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「ないわよ、お金・・・」






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「ええ~~~~っ、なんでぇ?この前数えたら、
家族みんなの分合わせて20万くらいあった
じゃん???」





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「うん、あったね・・・」






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「それが、たった2週間でなんでなくなるのよ~~」






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「お姉ちゃん、年末から年始にかけて、何があったっけ?」






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「何がって・・・『年末ロイヤルくじ』とか『お年玉』イベントとか・・・あっ!」






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「・・・」






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「で、でもさ・・・20万全部ってことはないよ・・・・ねっ?」






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「まあ確かに装備の修理や回復、薬なんかも買った
けど、大部分はお姉ちゃんが使ったんだよっ!」






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「ううう・・・」









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「お金がないと回復すらできない・・・回復できないから生産もできない・・・このままじゃお金稼ぐこともできなくなっちゃうよっ」





「ぬ~~~」









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「もうっ!長女なんだからしっかりしてよ・・・
「だいたいね、元々力はあるのに、『レベル上げなんて
つまんない・・・』とか言って真面目にやらないから、
儲かるクエはできないし・・・
そのくせ、レアなペットやアイテムが当たると聞くと、
じゃんじゃんお金使っちゃうし・・・」




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「ああ・・・もう、わかったから・・・ちゃんと、稼いでくるから・・・」










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妹に叱られたYukarikoは、しばらく使ってなかった商売道具の杖を片手に、逃げるように家を飛び出しました。













「ちぇっ、本当にうるさいんだから・・・なによっもう・・・わたしだって、苦労してお金稼いでるんだから、ちょっとくらい使わせて貰ったっていいじゃないの・・・そりゃ、確かに暮れから正月にかけては、ロイヤルくじやお年玉で、使っちゃったけどさ・・・」


「それもこれもレアなペットやアイテムだと高く売れるから、頑張ってるのに・・・」


ぶつぶつ言いながらも、何とか夜明け前にイールの浜辺に着くことができました。





「そう言えば、年が明けてから初めての日の出よね・・・」6461e8d3.jpeg










東の方角に向かって、手を合わせます。











「わたしたち姉妹が、これからも楽しく、仲良く暮らせますように・・・ユカリコは、ちょっと口うるさくて融通のきかない子だけど、思いやりがあっていいこなんです。お金のない子には無料で治療してあげたり・・・あの子にはもうちょっとお洒落もさせてあげたいし、だから、お金があればいいかな~~なんて・・・」



「それに、ゆかりこは口数はすくないけど地道に黙々と働く真面目な子です、Grが上がって高価な食材の採取までもう少しなんです・・・でも、そういう食材の採取って、身体も傷つくし、MPもこまめに回復しなきゃならないから、薬や食料、装備も整えないと・・・」




「ですから、今年こそ、お金が貯まるようにお願いしますっ!」



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パンパンと拍手を打ってから、思い出したように付け加えました。





「あの・・・言い忘れましたが、わたしも、こうみえてストレスが溜まる方ですし、毎週シュガポでマカロンの10回もできれば・・・あ、無理だったら5回でもいいですけどぉ・・・」



頭を下げた拍子に足元の砂浜を見ると、こんもりとしてて何かが砂の中に埋まっている様子。

見ると「ぶたの貯金箱」がありました。



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いつもの癖で、振ってみるとちゃりんちゃりんと音がします。


「どうせ小銭しか入ってないわよね・・・」



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あまり期待もせずに、割ってみると中からちゃりんと出てきたのは銅貨ではなく金貨です。

数えてみると、

「2,20万G・・・」


何気に手に入れられる金額ではありません。






あわてて周りを見渡しても、誰もいません。Yukarikoは、拾ったお金を懐に入れると、一目散に家に戻りました。





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「た、た、たたたたたた・・・」

「あれっ、ずいぶん早いわね」

「これっ、これっ・・・・」





「どうしたの?」
「みみみみみ、見てっ!」

Yukarikoがテーブルの上に、ばら撒いた金貨を見て、二人もびっくり。


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話を聞いてさらにびっくりしました。



「もう、働かなくてもお金溜まったし~」

「ひと眠りしたらシュガポに行くから預かっておいてね~、じゃあおやすみ~」
















Yukarikoは、金貨を置きっぱなしにしたまま、眠ってしまいました。







残された2人は顔を見合わせて




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「どうしよう・・・いくら、この世界で拾った物は自分の物とは言え、ラッキーと手放しで喜べる金額じゃないよね・・・」

(こくこく)



















「こんなところSSに撮られて、掲示板かなんかに晒された日には、もうこの世界にいられなくなるかも・・・」

(ぶるぶる・・・)

「お姉ちゃんは、なまけもので、無計画で、ロマンチストの浪費家だけど、ホントは人様のものをネコババしようなんて思う人じゃない・・・これも、わたしが強く言い過ぎたからなんだわ・・・」

(ふるふる)


とにかくこれは、お姉ちゃんに渡すわけにはいかないね・・・いい?起きてきてお金のこと聞かれてもとぼけるのよ」

(こくん)



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「ふぁ~~~、よく寝た・・・」








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「やっと起きたのね」







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「あ~~、もうこんな時間かぁ、うふっ、さっきのお金でシュガポに行ってマッカロ~~~ン!!」







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「まだ言ってるの・・・お金ないっていったでしょ」







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「そっちこそ、なに言ってるのよ、さっき見せたでしょ?イールで拾ってきたお金・・・」







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「夢でもみたんじゃないの?」







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「夢な訳ないじゃない、金貨の輝きもちゃりんという音もしっかり覚えてるわよ!」








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「お姉ちゃん、手ぶらで帰ってきて『疲れたから、もう寝るっ』ってさっさと寝ちゃったじゃない・・・そんなに言うなら探してみなさいよ」










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ごそごそ















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ごそごそ















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ごそごそ


「お姉ちゃん!どこ探してんのよっ!!」







Yukarikoは、家の中はもちろん、妹たちの財布の中や銀行まで調べましたが、
20万Gはおろか、100Gの金もみつかりません。



「え~~~っ、あれが全部夢だったの・・・???」



いったんは大金を掴んだと思ったのに、夢とは・・・







それからしばらく、どよ~~んと落ち込んでいましたが、根は楽天家・・・。

気を取り直してからは、人が変わったように働きはじめました。


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嫌がっていたレベル上げもすすんで行く様になり、レベルも上がってきました。





















すると、それまでレベルが低くて声が掛からなかったクエにも呼ばれるようになって、
証やキューブの売却で、お金にも不自由しなくなってきました。





もちろん、妹たちも一生懸命働いて、Grも上がり一人前の職人と認められるようになります。





そうして迎えたその年の大晦日






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いつものようにクエストを終えて帰ってくると、妹ふたりが、これからイールに行こう
といいます。
















「カウントダウンに参加するんじゃなかったの?」

「ううん、今年だけはイールの浜辺でご来光を見たいの」

「へぇ・・・?」


ちょっと腑に落ちないところはありましたが、そろってイールに向かいます。












イールについた3人は海を眺めながらご来光を待ちます。

やがて、東の水平線が明るくなり、お日様が上がってきます。

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「今年もいい年でありますように・・・」
















家族の幸せをお祈りして、帰途に着こうとするYukarikoを妹たちが呼びとめました。




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「実はお姉ちゃんに、見せたいものがあるんだ・・・」







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「ん?なぁに~」







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「・・・これ・・・覚えてる?」








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「あっ、これは・・・」






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「そう・・・あのときの金貨よ・・・」







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「やっぱり、あれは夢じゃなかったんだ!でも、なんで、隠したりしたの?」






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「あの時このお金を使っちゃったら、お姉ちゃんが駄目になる・・・そう思って」







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「ユカリコ・・・」






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「ごめんね、お姉ちゃん・・・」








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「・・・ううん、いいよ・・・確かに、あの時のわたしはだらしなかった・・・でもおかげで、こうしてレベルも上がって結果的にお金も貯まったしね」






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「このお金は、落し物として届けたけど、持ち主が名乗り出なかったので、大家さんに預かってもらってたの」








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「そうだったの・・・」







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「今のお姉ちゃんになら、わたしても大丈夫だよねっ」








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「あはっ、じゃあさ、ひと眠りしたら、これ持って3人でシュガポにいこうか?で、ひさびさにマカロンでも・・・」








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「うんうん、いいね」

(こくこく)





























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「あっ、やっぱりよそう・・・夢になるといけないから・・・」

 

 





『芝浜』あらため『イール浜』の一席でした。

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日本の人情劇!!
落語は全然知らない僕ですが、人情味あるお噺ですよねぇ♪
原作の芝浜も検索してチェックしてみました!
やはり人気のある噺のようですねぇ。
落語を知らない人でも楽しめるファンブルグ寄席、次回も楽しみにしております~♪
BANX URL 2009/03/17(Tue)16:55:31 編集
Re:日本の人情劇!!
BANXさん、こんばんくす~
先日はひょんなところでお会いできて良かったです。
ネタつくりの苦労などブロガーならでは話も伺えて、いろいろ勉強になりました。
その直後には新ネタがアップされていて、「さすがだな~」と感心してます。

わたしも早めに次回作アップできるよう頑張ります。
【2009/03/18 23:31】
無題
なんかいいお話だね~
コンチェを忘れて読んでたよ(笑)
らふぃーる 2009/03/17(Tue)23:13:42 編集
Re:無題
らふぃ~るさん、こんばんは~

原作の「芝浜」は比べるまでもなくいい噺ですので、機会があったら
ぜひ聴いてみてくださいな。
【2009/03/18 23:33】
無題
おみごとさま~な「イール浜」でございました。
ごっつぁんでした!
小梅 URL 2009/03/18(Wed)22:50:23 編集
Re:無題
小梅さん、こんばんは。

先日はありがとうございました。 m(_ _)m
原作の雰囲気だけでも伝わってでしょうかね・・・^^;

あの時にお話ししたネタのいくつかは具体的になってきましたので
SSが撮れれば、順次アップしていきたいなと思っています。

また落語の話しましょうね♪

【2009/03/18 23:39】
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Yukariko
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落語家勇者(外見は魔術師)
趣味:
最近は宝箱開けかな?
自己紹介:
通称:姐御

勇者候補として召喚されてから丸2年たちました。
未だに勇者としては「半チク」だけどいいもんね♪
モットーは「毎日楽しく遊べればそれでよし」
落語家勇者は今日も行く!
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