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「落語家(?)」らしく、お目出度い噺を一席おうかがいしようかと思います。
「情けはひとのためならず」と申しますね。
「なまじ情けをかけることは人のためよくない」なんてまちがった意味で
使われることもあるようですが、本来の意味は「情けは人のためではなく、
めぐり巡って自分のためである」というのが正しいんですね。
人を思いやる心くらい美しいものはないんじゃないでしょうか?
「う~~ん」
「どうしたのさ、さっきから唸ってばっかりいるけど・・・」
「実はね、前から欲しかったオシャレが売りに出ているんだけどさぁ」
「うんうん」
「値段がね・・・」
「うん」
「1Mもするのよ~」
「さあ、ゆかりこ、そろそろ、お仕事に行こうか~」
「(こくこく)」
「ちょっと~~!なんでスルーするのよ!」
「お姉ちゃん、そこにお座りなさい」
「座っているわよ」
「うちのどこにそんなお金があるとお思い?」
「ん~~~」
「最近は王様コイン集めるために、証を換金してくれない
でしょ?その分、うちの家計はゆかりこの狩猟での収入に
依存しているってこと理解してる?」
「うん・・・」
「それにさ、言いたくないけど、レベルが上がったおかげで、
お姉ちゃんのお弁当代とか薬代、病院代に装備の修理代が
嵩んで・・・、もう、生活していくだけでやっとなのよ?」
「む~~~」
「わかったら、お姉ちゃんもしっかり稼いできてね!今日は、
協会から『変容する世界』のガイドの依頼が来ていたから
遅れないで行くのよ~」
「・・・は~い・・・」
その日はぶつぶつ言いながらもしっかりと仕事をこなし、
帰ってきたYukarikoでしたが、横になるとどうしても
そのオシャレのことが気になってしまいます。
思いを振り切るかのように布団にもぐってしばらくすると、
どこからともなく自分を呼ぶ声が聞こえてきました。
「Yukarikoシャン、Yukarikoシャン・・・」
「ん、だぁれ?」
「Yukarikoシャンハ、ソンナニ、アノおしゃれガホシイデシュカ?」
「ん~~、そうねぇ~~、ず~~っと前から欲しかったからねぇ・・・」
「ソウデシュカ・・・」
「で、あなたは誰なの?」
「ワタチハ、Yukarikoシャンノとろめーあデシュ」
「雪子姫?」
「ソウデシュ、アタチハ、イママデ、Yukarikoシャンニ、オセワニ
ナッテキタカラ、イツカ、オンガエシガ、シタイトオモッテマチタ・・・」
「なに言ってるのよ~~、クエストとかでお世話になっている
のはこっちの方でしょ?」
「アタチハ、イチドダケ、キシェキヲ、オコスコトガデキマチュ」
「(聞いてないわね・・・)」
「キシェキノチカラデ、ネガイヲカナエテアゲマシュ」
「そ、そう・・・?それは嬉しいけど・・・」
「アシタ、メガサメタトキニ、キシェキハ、オコッテイルデチョウ・・・」
「ちょっと!待ちなさい!そんなことしなくてもいいから・・・」
Yukarikoは、そのまま気を失うように眠りに落ちていきました。
あくる朝、起きてみると、枕元に金貨と手紙がおいてありました。
手紙にはたどたどしい文字で「コレデ、おしゃれヲカッテクダシャイ」と
書かれていました。
「やだ・・・本当にお金が・・・、ちょっと、雪子姫、雪子姫~~」
いつもなら「ぽひゅん」というちょっと間の抜けた音とともに登場する
のに、今日は現れません。
ペット枠を開いてみても、そこに雪子姫の姿はありません。
「あのおバカ~~~」
慌てて、街中駆け回って雪子姫を探しますが、誰も姿を見かけた
ものはありませんでした。
ファンブルグの伝説方面に詳しい長老に聞いてみると、長らく
主人と生活をともにしたペットのうちの幾匹かは、一度だけ
その身と引き換えに願いをかなえることが出来る。
それを「奇跡」と呼ぶ人もいるとのこと・・・。
どうやら、あのやり取りは夢ではなかった様子です。
ともあれ、雪子姫を探さなきゃと、一日中走り回り、いい加減
へとへとになって歩いていると、目の前の橋の上に、今にも
身を投げそうな若い娘がひとり・・・。
「ちょっと~~、待ちなさいよっ、危ないじゃないの!」
「助けると思ってその手を放してください」
「欄干から手を離しなさい!好きな人に振られたくらいで
死んじゃダメ!」
「そんな事じゃありません!」
「私たちは姉妹で武器の商いをやっているんです。
さっき、お客様から集金したお金を、この橋の上で掏り取ら
れてしまったのです・・・。
お姉様には弁解のしようがありません」
「死んだってお金は戻らないでしょっ!一生懸命働いて
返しゃあいいじゃない」
「・・・分かりました」
「ほら行くわよ~」
「・・・あんな大金、働いて返せるような金額じゃ
ありません・・・
お願いです、離して~~」
「コラ~~~!待て~~!飛び込むな~~! 」
「後生ですから、離してください、死なせてください・・・」
「わかってないじゃん!
もう・・・あなたは死ぬ事以外に考えられないの。」
娘はすすり泣くだけで顔を上げません。
「あ~あ・・・私ってお金には縁がないのかな~。
・・・ほらこれ上げるから持っていきなよ!」
「!そんな大金もらえません!!」
「私だって上げたくはないわよ!!
でもさ、お金なかったら、あんた死ぬつもりなんでしょ?
雪子姫は死んじゃいないんだ・・・。不思議そうな顔しないでよ。
こんな私が大金持っているのが不思議?
このお金は、私とず~~~っと連れ添ったペットが自分の身と
引き換えに作ってくれたお金なんだ・・・。
おバカな子でさぁ・・・
勝手に人の気持ち想像して・・・。
あんたに上げるから、何かの折には、 あんたも雪子姫のために
手を合わせてやってよ・・・。」
そういうと、ぶつけるようにお金を投げつけて走っていきました。
娘はその後ろ姿に手を合わせて、
「このご恩は一生忘れません」
とつぶやきました。
(後半に続く)
後半もアップさせて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
これからも、みんなに楽しんでいただけるような噺を考えていくつもりです。
応援、よろしくね♪
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勇者候補として召喚されてから丸2年たちました。
未だに勇者としては「半チク」だけどいいもんね♪
モットーは「毎日楽しく遊べればそれでよし」
落語家勇者は今日も行く!
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作者はぺんぎんさんです♪